離婚するためには1協議離婚、2調停離婚、3裁判離婚のいずれかを選択しなければなりません。
協議離婚は,夫婦二人で話し合い,合意のもとで離婚する場合で,一般的に「離婚」からイメージされるのはこの方法です。この場合には特別な手続はいりません。夫婦が「離婚することに合意」し,「離婚届」を提出するだけです。また,お互いが合意して離婚するものですから,離婚の原因は問題になりません。
なお,平成20年に離婚届不受理制度が明文化されました。この制度を使えば,相手が勝手に離婚届を出す可能性がある場合に備えて,離婚届を受理しないように市役所に申出ることができます(戸籍法27条の2第3項。)。
弁護士に頼むメリット
まだ離婚しようか決めかねている場合や,協議離婚の話し合いをしている場合でも,弁護士に相談するメリットはあります。たとえば,過去の事例から慰謝料や養育費の相場を調べ,そこから具体的な金額の見込みを立てたり,具体的な事情を総合的に見て離婚するのが妥当かどうかアドバイスを受けることが可能だからです。
とくに協議離婚の場合,夫婦の合意と届出だけで手続を完結させることができますから,あとになって「もっと慎重に判断すればよかった」,「せめて法律相談しておけばよかった」と後悔するケースが少なくありません。条件的に不利な離婚によって,後になって後悔をしないためにも,早期に弁護士に相談し,必要な準備を進めておくことをおすすめします。
調停離婚は,当事者だけでは話し合いがまとまらない場合(話し合いさえできない場合も含む)に,裁判所に話し合いの場所をもうけてもらう方法です。調停委員は通常2名で,おおよそ1ヶ月に1度ぐらいのペースで話し合いをしていきます。顔を合わせられない事情(たとえば,「DV被害のために怖くて会えない」等)がある方でも,裁判所に配慮してもらえるので,心配ありません。また,この場合も,結局はお互いが合意して離婚するものですから,離婚の原因は問題となりません。
なお,わずかな対立点のために調停が不調に終わった場合などで,調停委員が離婚させた方がよいと判断したときには,調停後に離婚の審判がなされることがあります(審判離婚)。もっとも,実際に審判で離婚が成立するケースはごくわずかしかありません。
弁護士に頼むメリット
調停離婚の場合,弁護士を立てずに調停を進めることもできますが,調停委員に自分の主張を明確に伝える必要があるときには,専門家である弁護士を代理人にする方が的確です。また,代理人として依頼しない場合でも,法律相談で,何を主張すべきか,どんな証拠が必要かなどのアドバイスを受けることができますから,弁護士に依頼するメリットはあります。
裁判離婚は,調停でさえも話し合いがまとまらなかった場合(話し合いにすらならなかった場合も含む)に,判決で離婚する方法です。この場合,相手方に同意がなくても,判決の効力で離婚することができます。これは,いわば,強力な「最終手段」ですから,いきなり裁判を提起することはできず,まず離婚調停を行って,「話し合った(話し合おうとした)が,だめだった」という状況でなければ,裁判自体が認められません(調停前置)。もっとも,例外的に,相手方が行方不明であるとか,暴力がひどいため調停自体が精神的な負担になるときなど,裁判所が調停を行うことが不適当であると認める場合には,調停をしないで訴えを提起できる場合があります。
弁護士に頼むメリット
裁判離婚は,裁判を行うわけですから,協議離婚や調停離婚とは異なり,弁護士に依頼して法廷での主張・立証を尽くしていくことが大変重要になってきます。
また,裁判離婚は,結果的には合意のない相手に離婚を強制することになりますから,それだけ離婚にふさわしい事情=「離婚原因」が必要となります。民法770条1項は「婚姻を継続しがたい重大な事由」の他,いくつかの離婚原因を定めています。過去の裁判例には,「婚姻を継続しがたい重大な事由」を広く解釈するなどして,より離婚を認めやすくするものが多くありますが,具体的な事情で結論が異なり得ますので,専門家への相談をおすすめします。